日本産ヤドリバエ写真集

色々な種類のヤドリバエの、様々な部位の写真です。

文字が緑色になっているところをクリックすると、写真を見ることができます。

随時、種類を更新していきます。

Phorocerosoma vicarium(キンポクハリバエ) ※全てオスの写真




全体背面 全体側面 頭部側面 腹部背面 翅背面 全体腹面 腹部腹面 この種類について
Linnaemya tessellans?(セスジチビヒゲハリバエ) ※全てメスの写真



全体背面 頭胸部側面 腹部背面 翅背面 全体腹面 この種類について
Exorista (Podotachina) sorbillans(クワゴヤドリバエ) ※全てメスの写真



全体背面 全体側面 腹部背面 翅背面 全体腹面
Thelaira nigripes (アシナガハリバエ) ※全てオスの写真



全体背面 全体側面 頭部側面 腹部背面 翅背面 前脚爪 全体腹面 雄交尾器
Atylostoma sp. ※全てメスの写真



全体背面 全体側面 腹部背面 翅背面 全体腹面
Lydella thompsoni(アワノクロハリバエ) ※全てメスの写真



全体背面 全体側面 頭部側面 翅背面 腹部背面 全体腹面 腹部腹面
Pales pavida (カイコノクロウジバエ) ※全てメスの写真



全体背面 全体側面 頭部側面 頭部背面 胸部背面 腹部背面 翅背面 後脛節背面
Dexiosoma caninum(アカアシナガハリバエ) ※全てメスの写真



全体背面 全体側面1 全体側面2 頭部背面 頭部側面 腹部背面 翅背面 全体腹面
Gonia chinensis(オオズクロスジハリバエ) ※全てオスの写真



全体背面 全体側面1 全体側面2 頭部側面 頭部前面 頭胸部背面 胸部側面 腹部背面 翅背面 全体腹面
Prodegeeria japonica ※全てオスの写真



全体背面 全体側面 頭部側面 胸部側面 翅腹面 中・後脚爪 全体腹面 雄交尾器(一部破損)

Steganopsis vittipleura

2020.7.05撮影
2020.7.05撮影

シマバエ科。体長2〜3mm。

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この虫、何者だと思いますか?

甲虫? カメムシ?

いや、違うんです。

ハエなんです。

翅が、腰の部分で折り曲げられてるんですよね。

なので、まるで、甲虫やカスミカメの仲間のように見えるんです。

さらに、ものすごく小さいんですよ。2〜3mm。

かなり奇抜で個性的な見た目ですよね。

(日本には、同じような見た目のSteganopsis dichroaという種類もいる)

お顔もカッコイイですよ。

口の上、複眼の下のところに、左右一対の黒い斑点があるのが、とっても好きです。

あと、口の部分に、ぴょこんと飛び出た、左右一対の細長い部位がありますね。

これは、palpusという部位です。

この部分もカッコイイと思います。

最後に、、ごくんごくんと水を飲む様子。

ツマグロクシヒゲガガンボ

2021.7.18撮影

ガガンボ科クシヒゲガガンボ亜科。学名:Pselliophora isshikii。

体長15〜17mmくらい。

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ものすんごいですね〜。

「地球外生命体か、お前は!」って言いたくなるほどの 珍奇な形をした触角。

拡大すると、、、

ううん、、拡大すればするほど、珍奇に見えてくるうう。。

なんで、こんな形なんだ??

実は、こんな触角を持っているのは、オスだけで、

メスは、通常の 細い糸状の触角を持っています。

多分、オスがメスの匂いを遠くからでもキャッチできるように、こんな形になってるんでしょうね。。スゴイ。

名前は、「 櫛 髭 」ってなってるけど、

櫛ともなんか違うような。。

本物の櫛

遠くから見ると、エノコログサとかにも見えるような。。いや、なんか違うんだよな。

まあ、それはさておき、、、

触角をさらに拡大してみましょう!

どんっ!

触角にたくさんの白い毛が生えてますねー!

そして、気になるのは、ところどころに生えている、長い黒色の毛。

ここの毛に、センサー的な役割でもあるんでしょうか?

電子顕微鏡とかを使って、この部分を見たら、面白い特殊な構造が見えるのかもしれないですね。気になります。

そして、さーらーに、拡大。

短い毛の中に、長い毛が生えているのが、はっきりと見えますね。。

あとは、顔を拡大ーっ。

か、、、か、、、かわいい、、、。😅

口の部分が、なんか、伸びてて、特殊な形だっ!

あと、目が 真っ黒で 大きい! 後頭部の毛が 睫毛みたいに見える!

キリンにちょっと似てるような気もしてきた。

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体の細かい部位を、こうやって、拡大してみると、いろんな発見があって、面白いですね!

ビロードツリアブ(ビロウドツリアブ)

2019.4.13撮影

ツリアブ科。学名:Bombylius major。体長は10mmくらい。

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2019.4.13撮影

春の妖精です。かわいいとしかいえない。。

どうやってこの可愛さを説明しようかとずっと悩んでいたけど、、これは説明不要ですね!  誰が見ても可愛いだろっ!

<よく似た仲間>

シバカワツリアブ、ハクバツリアブ、コビロウドツリアブ

トワダオオカ

カ科オオカ亜科。Toxorhynchites (Toxorhynchites) towadensis。

なんと体長10mm以上!

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1cmの蚊、、って聞いたら、怖がる人もいるかもしれません。

でも、大丈夫、、この蚊は動物の血を吸いません。

まあ、こんなに曲がった口吻では、吸おうとしても吸えないでしょうねぇ。

頭部と、胸部の縁が、緑色に輝いてますよね。これ、写真だとうまく写らないんですけど、めちゃくちゃ綺麗なんですよ。

腹部も、青藍色で、写真ではわかりにくいですが、物凄く綺麗です。

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さて、僕とトワダオオカの出会いには、長い物語がありました。紹介しますね。

あれは、2019年6月26日のことでした。

学校から帰るとき、歩いていたら、何者かが足元に飛んできました。蚊の飛び方をしていて、めちゃ大きくて、緑色に光っていて、足に白い部分がある。一気に、僕の心臓の鼓動が早くなりました。

『憧れの虫だったトワダオオカじゃないか、そ、そんな。。き、急に現れやがって。。全く。。どうしよう。虫網無いよ、、Ziplockならあるけど。。え、ええい、Ziplockで捕獲だっ! 飛び方がめちゃ遅いから、Ziplockで採集できる可能性大だっ!』

てなわけで、Ziplockで採集を試みました、、

ホントにゆったり飛んでたんで、Ziplockでも採集できるだろ、って思いました。

が、、

Ziplockだと、入れるところが狭いんですよね、、なかなかトワダオオカをZiplock内に入れることができず、、数秒後、見失ってしまいました

ガーン ショックでしたよ、そりゃもうホントに。

僕の県では、絶滅危惧種ですから、珍しいんですよ。

それから数日、トワダオオカのこと考えてました。

ある日のこと、、「トワダオオカ」という名前を、アメリカ人が聞いたら、「toward oak」に聞こえるのかなぁ、なんて変な連想をしておりました。

towardは「〜に向かって」、oakとは「ナラの仲間の木」の意味です。

トワダオオカ→toward oak→ナラ(木)に向かって→奈良に向かって。。

奈良県に行ったら、トワダオオカ見れるかもなぁ〜、なんて変な連想をしてたわけですよ。。

その年の夏、奈良県に行く機会がありました。

奈良公園の近くで、ルリセンチを探しておりました。とても綺麗な個体がたくさんいて、とても楽しんでいました。その時、デカイ蚊が視界に入った。そう、トワダオオカです! なんと、驚くべきことに、本当に奈良県でトワダオオカを採集してしまった。。妙にびっくりしましたね。

まあ、奈良県では、トワダオオカは珍しいものではないそうですが。。 (終)

Leucophora grisella

ハナバエ科Anthomyiinae亜科。体長:6〜8mm程度。

aristaは羽毛状。触角第三節の長さは、幅の2.5倍ほど。

interfrontaliaには細いifがある(♂)か、全くない(♀)。

pc orb sは1本(♂)か2本(♀)。

♂の、両側のVibrissae間の距離は、頰の高さより短い距離。

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普通の人が見たら、ただの蝿じゃんってなるでしょうね。

でも、僕は、この蝿がとっても好きです。

なんで、って聞かれたら困りますけど(笑)

兎に角、大好きなんですよ!!!1

カタナクチイシアブ

シャキーン、、

日本刀 を連想させるこの形状。。

写真では分からないですが、厚みもほぼ無いので、刀そっくりです。

実は、上の写真は、とある虫の 口なんです。

これは、、、、おもちゃの刀です😁

ということで、、カタナクチイシアブを紹介します。

カタナクチイシアブの横顔。触角が千切れてるのは気にしないでください。

ムシヒキアブ科イシアブ亜科。体長は15mmくらい。

学名:Mactea matsumurai

口吻の先が、上方にそりかえっているのが特徴。

参考にしたサイト:http://www3.kcn.ne.jp/~tgw/m-index2-j.htm

カタナクチイシアブの翅脈

genitalia of male

ノザキトビケラヤドリユスリカ

ユスリカ科エリユスリカ亜科。体長約7mm。

学名:Eurycnemus nozakii。

色といい、形といい、独特なユスリカです。

ちょっとポテトチップスみたいな色ですね。

あと、脚が太いですね。

さらに、この種の大きな特徴は、

楯板が 前前胸背板を大きく越えて 前方に伸びています。

(要するに、胸部が前方に突き出しているということです)

こんな胸部のユスリカなんて知らなかったわけですから、僕は この種を初めて見た時、新種じゃんて思っちゃいました。「ウスチャイロトサカエリユスリカ」とか名前が似合いそうとか思ってました。

でも、日本のユスリカという本を買って、この種が既知種と知りました。

このユスリカは、生態も面白く、ユスリカとしては珍しい 寄生性の種だそうです。
ニンギョウトビケラの幼虫に寄生します。

Drino (Zygobothria) atropivora ?

ヤドリバエ科Exoristinae亜科。

和名:イモムシヤドリバエ。体長 1cmくらい。

シノニム:Drino hersei, Sturmia atropivora など。

スズメガ科に寄生する。

カレハガ科・ドクガ科・シャチホコガ科・タテハチョウ科・ヤママユガ科にも寄生するという記録もあるが、これらは誤情報の可能性が高いそうだ。

ocellar setaeはreclinate orbital setaeと同じくらい長い。ocellar setaeは、前単眼よりも前に位置する。

parafacialに毛は生えていない。中脚に2本のanterodorsal setaeがある。

剛毛が結構取れてます😅  額が広くて可愛らしいです٩( ᐛ )و

Twitterにて、小須田様より、色々教えていただきました。小須田さん、有難うございました!

※ただし、このハエが D. (Z.) atropivoraに近縁な未記載種の可能性もあります。未記載種の方が触角が長いそうです。おそらく、今回のはatropivoraと思いますが、間違ってたらゴメンナサイ。。

Isosturmia picta (Baranov, 1932)

Isosturmia picta ♂ チャドクガの蛹から羽化した個体
Isosturmia picta ♀

ヤドリバエ科Exorisitinae亜科

和名:ドクガヤドリバエ 体長6〜10mmほど。ドクガ類に寄生する。

inner vertical setaeは平行。小盾板の先端は赤っぽい。palpusは黄色で、棍棒状。reclinate orbital setae は2〜3本。ocellar setae はとても細い。複眼は裸。

<♂特徴>

腹部第3,4背板に赤い部分がある。なんか綺麗だなーー٩( ᐛ )و

<♀特徴>

メスの前脚付節は、平たく太い形状になっている。第4付節は、第5付節よりも長い。

なんかすごいカッコイイ!!この付節。

参考文献:https://dl.ndl.go.jp/view/download/digidepo_10989344_po_6-213-E-Shima.pdf?contentNo=1&alternativeNo=

実は、僕は、最初、Sturmia属の一種だと思っていたんです。。しかし、某掲示板で、I. pictaではないかと、大宮様より教えていただきました。大宮様に感謝しております。

http://diptera.jp/usr/local/bin/perl/dipbbs/joyful.cgi?list=pickup&num=10990#10990

今後、もっとたくさんのヤドリバエを同定して、ちゃんと正確に同定できるようにならないといけないなと思いました。。