ヒメバチづくし 第二弾(同定)

次は、このハチの同定です。黒と橙の細長くて綺麗なハチ。おそらく、コンボウアメバチ亜科だと思います٩( ᐛ )و。しかし、一応のために検索表で調べてみましょう。

これもweb寄生蜂図鑑を参考にしました。

ちゃんと翅があるので、2へ行きます。前翅翅脈2m-cu脈はあるので、5へ。小盾板は突出せず、翅も曇らないので、6へ。体長10mm程度が✖️ですね。次、7。確かに、鏡胞はありませんが、産卵鞘は後体節から出ているので、次は8。

触角鞭節は明らかに13節以上なので、次、9へ。鏡胞はないので、10へ進みます。

一番最初にはった、ハチの全体像の写真を見て分かるように、後体節基部方は柄を形成します。よって、11へと進みます。このハチの後体節は、側方から圧されており、後体節の幅が狭いアメバチ型ですので、12へ。

「前翅が鏡胞を欠いているから、13だ!」と一回 思ってしまいました。しかし、よく見ると、15ですね。

15 行きの方は、「前翅は鏡胞を有する」と書いてあるので、✖️だと思ってしまいましたが、その後の文をよくみると、「あるいは、欠く場合、2m-cu脈は本来鏡胞のあるあたりの位置で合流するか、より翅の先端方の位置で合流する。」と書いてありました。早速、確認すると…. 2m-cu脈は本来鏡胞のあるあたりの位置で合流しています! ということは、15に進みます。

次は15。後体節は背面から殆ど平らなので、コンボウアメバチ亜科だと分かります。

中脚の脛節棘は2つなので、1→2→3へと進みます。

ここから続きは、後で書きます!

ヒメバチづくし 第一弾 (同定)

下の写真にある ヒメバチの同定をしてみました。胸部前方が赤色で、後体節に白い紋がある綺麗な種類です。

ヒメバチの同定は、似た種がたくさんおり、非常に難しいのですが、(結論から言うと、)属まで同定することができました。

同定の際には、「web寄生蜂図鑑」というサイトにある検索表を使いました。

https://himebati.jimdofree.com/寄生蜂のリストと特徴-写真/ヒメバチ科-ichneumonidae/亜科への検索表/

まず、1。翅はあるので、2に行きます。前翅翅脈2m-cuはちゃんとあるので、5へ。翅は曇らず、小盾板にも突起はないので、次は6へ。

写真見にくくてすみません^_^;

産卵管は産卵鞘に隠れていて見えませんでしたが、下方に曲がっているようではありませんでした。なので、次の7へ。前翅に鏡胞があり、産卵鞘が後体節に隠れていないので、次は8へ進みます。(鏡胞の位置は、上の写真を見てください)

明らかに、触角鞭節は13以上。次の9では、鏡胞が菱形でないこと、亜生殖板が大きくないことから、フタオヒメバチ亜科を除外。

鞭小節の数の付け方、間違えてたらすみません^_^;

次は、10。後体節第1背板が 柄を形成しているので、11に進みます。このハチは、後体節の幅が狭いアメバチ型とは違い、ヒメバチ型なので、20へ。

後脚脛節棘を見てみると……2本。

後脚

次は22です。この「頭盾と顔面との溝」ですが、顕微鏡で見てもよく分かりませんでした。そこで、違う方法で、チビアメバチ亜科を除外しました。

「鏡胞は閉じるか開き、閉じる際は三角形(五角形にはならない)」というチビアメバチ亜科の特徴を使いました。今 調べているハチは、鏡胞が閉じていて五角形です。それで、チビアメバチ亜科を除外しました。

次の23では、頭盾が強く隆起しておらず、体長5mm以下でないことから、24へ。頭盾前縁に剛毛の飾りはありません。それに、中胸盾板のnotaulusもそこまで明瞭でないので、25へ。

亜生殖板は全然大きくないので、次 26へ。

産卵鞘はあまり幅広くないので、27へと進みます。

鏡胞を持ち、後翅翅脈M+Cuもあまり曲がらず、頭盾は横から見ても平でした。

したがって、長い検索が終わりました。結局、「ヒメバチ亜科」となりました。

ここからの種までの検索表がないので、種まではわからないかもしれないと思いながら、「Image Database of Parasitoid wasps」でよく似たハチを探していると、見つけてしまいました。

Neotypus属です。日本に3種生息するようです。

ツバメシジミセアカヒメバチ Neotypus nobilitator            

クロシジミセアカヒメバチ N. coreensis

Neotypus taiwanus(本州には生息しない)

「日本産ヒメバチ目録 Check list of Japanese Ichneumonidae」によると、

この属は、ツバメシジミ、シルビアシジミ、ヤマトシジミなどに寄生するそうです。

昆虫の同定1

この綺麗で小さな蛾は、マルハキバガ科のようです。中央の白帯が、曲がっていることから、シロスジベニマルハキバガではないかと思います。

そして、この脚の太いハナアブです。この虫を見たとき、なんとなく「タカサゴ」って感じがしたので、調べてみました。すると、「タカサゴハラブトハナアブ」で、このハナアブと全く同じ模様の虫が出てきました。見たときに「タカサゴ」って感じがしたのは、恐らく、僕が以前にこの虫を、図鑑か何かで見たことがあるからでしょう。

しかし、まだタカサゴハラブトハナアブと決めつけてはいけません。「ユーラシアハラブトハナアブ」というよく似た種類がいるようです。

この2種の見分け方を調べてみると、

タカサゴハラブトハナアブ: 後脚脛節先端が尖る。

ユーラシアハラブトハナアブ:後脚脛節先端が尖らない。

とあります。早速、その部分を見てみます。

脛節先端が尖るので、やはり、タカサゴハラブトハナアブでよかったようです。

この蛾は、口吻と前脚が長いのが特徴です。他にも、マダラヒゲブトナミシャクなど、この特徴をもつ蛾はいますが、翅の模様から、ウスミドリナミシャクだと分かりました。

これはコイチャコガネ

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最後は、とても小さいけれどもお洒落な蛾。このような模様の蛾は、カザリバガ科です。翅の前の方には、白帯がないことから、「カザリバ」か「サッポロカザリバ」か「ウスイロカザリバ」だと分かりました。ウスイロカザリバは、黄紋の色がより薄いので、違います。残りの2種が区別しにくいようです。

『カザリバは、 翅基部にある銀色線がサッポロカザリバよりわずかに短い』という風に、「みんなで作る日本産蛾類図鑑」に書いてありました。

そして、この蛾は、銀色線の長さがサッポロカザリバより短いようだったことから、カザリバと同定しました。